日経メディカルのロゴ画像

保育園は感染症の宝庫、それでも…

2010/07/21
引地悠

 先入観とは、恐ろしいものです。実際の経験をする以前にあれこれと思いをめぐらすものだから、しばしば、あらぬ方向にまで、妄想(?)が膨らみます。

 関係者の方には非常に申し訳ないのですが、娘の入園前、私が保育園に対して持っていた先入観は、「汚い」というものでした。

 子供たちは、「触れ合って」遊ぶのが基本です。当然、鼻水、唾液、汗、涙、時にはおしっこやうんちといった、「湿性生体物質」まみれだろうなあ、と想像するだけでぞっとしました。日ごろ、院内感染対策委員をさせていただいている身としては、「湿性生体物質」=感染源、つまり「保育園」=「感染症の宝庫」という短絡な思考がむくむくと浮かんでは消え、浮かんでは消え、どうしようもなかったのです。

著者プロフィール

引地 悠●ひきち はるか氏。2004年宮崎大卒後、洛和会音羽病院(京都市)にて初期研修2年、後期研修1年。07年4月中通総合病院(秋田市)総合内科で後期研修。09年1月に第1子を出産し、10年1月に復職。

連載の紹介

引地悠の「仕事と育児のベストバランスを求めて」
「結婚して子供を産んでも、臨床や研究の第一線から退きたくない」と考えていた引地氏。2009年1月に第1子を出産し、育児休業を1年間取得後、2010年1月に復職しました。新米ママ女医として盛りだくさんの日常をつづります。

この記事を読んでいる人におすすめ