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変形性腰椎症の腰痛患者にグルコサミンは効果なし
初の大規模無作為化試験の結果

 慢性腰痛変形性腰椎症の患者を対象に、グルコサミンの影響を調べた初めての大規模かつ長期的な無作為化試験の結果が発表された。グルコサミンは、これらの患者の疼痛関連の機能障害や痛みの強さ、QOLの改善に効果がなかった。ノルウェーOslo大学病院のPhilip Wilkens氏らが、JAMA誌2010年7月7日号に報告した。

 変形性腰椎症がある慢性腰痛患者がグルコサミンを服用する頻度は高まっているにもかかわらず、その有効性を調べた質の高い研究はほとんどなかった。そこで著者らは、グルコサミンが処方薬としてのみ用いられているノルウェーで、二重盲検の無作為化試験を行った。

 06年12月から08年7月までにOslo大学病院の外来を受診した、25歳以上の非特異的腰痛患者の中から、痛みが6カ月超持続しており、MRIにより変形性腰椎症と診断され、ノルウェー版Roland-Morris障害質問票(RMDQ、0~24で表しスコアが高いほど障害は深刻)のスコアが3以上だった250人を登録した。無作為に1500mg/日のグルコサミン(125人、平均年齢47.5歳)または偽薬(125人、49.4歳)に割り付け、6カ月間経口投与し、治療完了から6カ月後まで追跡した。投与終了以降は患者が希望する治療を実施した。

 主要アウトカム評価指標は6カ月後と12カ月後の疼痛関連の機能障害とし、RMDQを用いて評価した。2次アウトカム評価指標は、安静時と活動時の腰と脚の痛みの強さとし、Numerical Rating Scale(NRS 、「0=痛みなし」から「10=最悪の痛み」までの11ポイントで表す)により評価。EuroQol-5 Dimensions(EQ-5D)を用いて健康関連QOL も評価した。分析はintention-to-treatで行った。

 患者が割り付け薬以外に使用していた腰痛のための治療は、鎮痛薬、カイロプラクティック、理学療法、マッサージなど。治療中とその後6カ月間に、両群においてこれらを利用していた患者の割合には差はなかった。

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