女性の更年期障害の中で最も多いのが、ほてりやのぼせといったホットフラッシュと呼ばれる症状で、継続期間が長いためにQOLに少なからぬ影響を与える。米California大学San Francisco校のAlison J. Huang氏らは、こうした症状に悩む肥満女性に積極的な減量指導を6カ月間行うとホットフラッシュの煩わしさを軽減できることを、無作為化研究によって示した。論文は、Arch Intern Med誌2010年7月12日号に掲載された。
ホットフラッシュに悩む女性は、ホルモン補充療法(HRT)のリスクが報告されて以来、症状軽減に利用できる代替療法を求めている。複数の観察研究が、BMI高値の女性は低値の女性に比べホットフラッシュを起こしやすく、症状もより重症になりやすいことを示している。しかしこれまで、減量がホットフラッシュに及ぼす影響は明らかになっていなかった。
著者らは、Program to Reduce Incontinence by Diet and Exercise(PRIDE)試験のサブスタディとして、ホットフラッシュに対する減量の影響を調べることにした。
PRIDE試験は、30歳以上で過体重または肥満(BMIが25~50)、週に10回以上尿失禁エピソードがある女性338人を登録、積極的な減量プログラムを行う介入群(226人)と、減量を目的とする構造化された教育プログラムを行う対照群(112人)のいずれかに割り付けたもの。
介入群には、6カ月間に体重を7~9%減らすことを目標とするDiabetes Prevention Program (DPP)とLook AHEAD (Action For Health in Diabetes)に基づく生活行動改善を指示した。週1回1時間、専門家による教育セッションを行い、ウォーキング程度の運動を週に200分以上行うこと、運動時間を毎日記録すること、摂取熱量を1200~1500kcal/日に減らすことを求めると共に、食品の選び方を指導し、1本100kcalの置き換えダイエット用シリアルバーの引換券を提供した。
対照群の女性には、1カ月目、2カ月目、3カ月目、4カ月目に1回ずつ1時間のグループセッションを行い、減量のための一般的な知識を与えた。
ベースラインと6カ月後に、体重、BMI、腹囲、身体活動量、摂取熱量、血圧、身体機能、精神機能を評価した。加えて、過去1カ月のホットフラッシュの煩わしさを5段階(全くなし、わずかに煩わしい、ある程度煩わしい、かなり煩わしい、非常に煩わしい)で評価する質問票を用いて、症状の程度を調べた。
ベースラインのホットフラッシュの程度と尿失禁の頻度の間に有意な関係は見られなかった。
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