日経メディカル オンラインが実施した医学生アンケートの結果をお届けする「医学生のキモチ」。今回は、大学の医学教育への満足度について、回答者のコメントを交えて紹介する。
「在籍大学の医学教育に満足していますか?」という問いに対し、回答した医学生237人中60.3%が「不満」と答えた(図1)。特に3年生では「不満」が79%に達し、4年生の67%、6年生の63%を上回った。1年生、2年生の満足度は、回答者が少なかったため算出していない。
もっとも不満が多かった3年生からは、「一方的な講義ばかりで双方向的な授業がない」、「細かい知識の羅列で、その知識が将来臨床現場でいつ必要になるのか、どう使うのか、といった内容がない。教科書にあることを講義しているだけ」、「授業内容に抑揚がない。重要な点もそうでない点も同じ調子なので、何が大事なのか印象に残らない」など、授業の内容や進め方について厳しい意見が相次いだ。
授業に何が不足しているかを自由回答で聞いたところ、特に要望が多かったのは臨床分野だった。「感染症など臨床的な勉強ももっとしたい」 (3年生、6年生ほか)、「アメリカのように低学年から実践的な医学教育をしてほしい」(3年生)といった意見が相次いだ。
このほかにも「漢方を学びたい」(2年生)、「発生学、麻酔科、放射線科関連」(6年生)、「発生学、内科診断学」(6年生)、「症候学」(4年生)などが挙がった。「地域医療に関する講座がほしい。総合診療医を目指すことが困難」(6年生)という意見もあった。
6年生からのコメントをみると「国家試験の出題内容に準拠していない卒業判定試験によって留年するケースが多い」、「マッチングの時期に病院実習などが重なって、見学に行けない」など、切実なものが目立っている。
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