先月、西表島の私の住む集落で1人のおばぁが90歳の長寿を全うした。2週間前に尿路感染から敗血症を起こし、診療所から石垣島の親病院へ搬送入院となったのだ。感染管理は落ち着いたものの、入院中に心筋梗塞を合併して2日後に他界した。長い間自宅で献身的な介護を続けてきた娘さんの悲しみをこらえようとする姿には、私自身も医療者ながら涙が溢れるのを我慢できなかった。
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連載の紹介
離島医師たちのゆいまーる日記
沖縄県の離島診療所で働く、出身県も経験年数もさまざまな10人の医師が、診療だけにとどまらない日々の生活をつづります。「ゆいまーる」とは沖縄方言で相互扶助の意味。「ゆいまーるプロジェクト」は沖縄県の離島で働く医師たちが集う組織です。現在の執筆者は。「こちら」
「ゆいまーる日記」が電子書籍になりました
2009年から3年間、沖縄の離島で働く若い先生方に持ち回りで執筆していただいた「離島医師たちのゆいまーる日記」。連載のうち、選りすぐりの60本を再編集の上、電子書籍にまとめました。離島で1人で働く医師にはどのような役割が求められるのか、休みは取れるのか、家族はどうなるのか、島の人たちとの関係はどうなのか――。現場の話がぎゅっとつまった書籍となっています。
この連載のバックナンバー
2012/06/20
2012/02/17
2011/11/21
2011/09/26
2011/09/05