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今こそ勤務医と病院の連帯を!

2010/08/18

 医療再生を希求する医療人と国民の世論も手伝って、昨年はようやく政権交代が実現しました。明治維新以後140年が経過し、日本にようやく真の維新が訪れたと期待した方も少なくなかったのではないでしょうか。

 しかし現政権は、財政赤字の脅威をあおる財務省の姿勢に屈し、本格的な医療費増額を打ち出させずにいます。

 一方、医療界は、本来であれば日本医師会が中心となって、すべての国民が必要な質の高い医療を受けられるために、医療再生へ向けて連帯しなければならないところですが、先日の参議院選挙の結果を見ても、まさに同床異夢の状態で、医師の大同団結は道遠しというのが現実です。

 現在の医療崩壊の原因として、長年続く政府の低医療費政策と医師数抑制による医師不足があることは、社会的にもコンセンサスが得られてきました。しかし、崩壊が主に一般病院や勤務医の現場で発生しているためか、医師会や大学病院(医学部)との間では、医師増員一つ取っても、意見の集約が難しい現状です。どうしたらもっと医師不足にあえぐ病院や勤務医の声を社会に届けられるのだろうか。何か良い方法はないだろうか。

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

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