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ゴッドハンド輝とコラボ! 中高生の心臓手術体験セミナー

2010/08/18
津久井宏行

「ゴッドハンド輝」(週刊少年マガジン連載中)より

 アメリカにいたころ、夏休みになると連日、高校生が手術見学に来ていました。初めて目にする心臓手術を麻酔科側から熱心にのぞき込む彼らの反応を、自分も非常に興味深く見ていたことを思い出します。

 大動脈を遮断して心筋保護液が注入され、先ほどまで拍動していた心臓が止まると、驚愕のまなざしに。さらに、弁置換術で摘出された石灰化した弁、あるいはバイパス手術で細い血管を髪の毛ほどの糸で吻合する場面を目の当たりにすると、目を白黒させます。

 大動脈遮断の解除後、心臓が再び拍動を始めると、多くの子供たちが感嘆の声を上げるとともに、少しホッとした顔に。手術が終わった後に感想を聞くと、「心臓が動いているのを初めて見た」「心臓が黄色いことを初めて知った(心臓の表面の脂肪が黄色いためですね)」など、子供らしい率直な答えが返ってきます。皆一様に興奮し、充実した夏休みの1日を過ごしたことを喜びながら帰って行きました。

 日本に帰ってからは、「日本の子供たちにも手術を見せてあげられないか?」とかねがね考えていて、今年ようやく、その機会を持てることになりました。週刊少年マガジン「ゴッドハンド輝」(山本航暉先生)とのコラボレーションで8月29日、東京女子医科大学で中高校生向けの医療現場体験セミナーを開催します。

著者プロフィール

津久井宏行(東京女子医大心臓血管外科准講師)●つくい ひろゆき氏。1995年新潟大卒。2003年渡米。06年ピッツバーグ大学メディカルセンターAdvanced Adult Cardiac Surgery Fellow。2009年より東京女子医大。

連載の紹介

津久井宏行の「アメリカ視点、日本マインド」
米国で6年間心臓外科医として働いた津久井氏。「米国の優れた点を取り入れ、日本の長所をもっと伸ばせば、日本の医療は絶対に良くなる」との信念の下、両国での臨床経験に基づいた現場発の医療改革案を発信します。

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