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悩める医学生を救え!―メディカルスクールのサポートサービス(前編)

2010/08/19
高橋孝志

 メディカルスクールに入学すると、とにかくハードな学習生活が待ち構えています。大学とは段違いに難しく、膨大な勉強量をこなすのは、なかなか大変なことです。なじんだ地元を離れ、新しい生活環境の中でそれだけの勉強を課せられると、自分のペースをつかめずに苦戦する新入生が毎年何人も出てくるのです。

 そのため、学生がメディカルスクールでの生活を円滑に送れるように学校側が提供していたり、学生同士が協力し合って作り出したりしたサポートサービスが数々ありました。今回と次回にわたって、これらのサポートサービスについて、実際に利用した感想を交えながら紹介していきます。

チューター(Tutor)
 チューターと呼ばれる上級生が、アルバイトとして講義の復習やテスト対策を手伝ってくれるサービスです。チューターの給与は学校が払っているので、学生は無料で利用することができます。私が通っていたメディカルスクールでは、主要教科ごとにチューター・サービスがありました。

 ただし、家庭教師のような個人指導型ではなく、決められた曜日の決まった時間に指定の場所に行くとチューターが待っており、そこでグループ学習のような形で質問をしながら勉強を進めるスタイルでした。各講義のセッションをそれぞれ2人のチューターが担当し、毎週1回、その週の講義をまとめるような内容で進めていました。

 チューターも現役の学生ですから自身も受けなければならない授業や臨床実習があるため、彼らのスケジュールに合わせてセッションの時間が設定されていました。例えば、1年生次の1学期で最も難しいと言われていた生化学の講義の場合、曜日の違う複数のセッションが設定されていたので、両方に参加することも可能でした。ただし、教え方や要点のまとめ方に多少の差はあっても、実際に教える内容にはそれほど大きな差がなかったため、学生たちは自分のスケジュールに合っていたり、自分が好みだったりするセッションに参加していたようです。

著者プロフィール

高橋 孝志

ミネソタ大学放射線科研修医

ワシントン州ワシントン大学で電気工学科学士および修士を取得。2008年にウィスコンシン医科大学を卒業後、ミネソタ州Hennepin County MedicalCenterにて、スーパーローテーション方式である Transitional Yearインターンとして勤務。2009年7月より現職。

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