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Lancet誌から
エルトロンボパグが特発性血小板減少性紫斑病に有用

 特発性血小板減少性紫斑病慢性免疫性血小板減少症)の患者に、標準治療に加えてトロンボポイエチン受容体作動薬のエルトロンボパグ(国内未承認)を投与すると、血小板数の増加や出血リスク低減が見られた。香港中文大学のGregory Cheng氏らが、二重盲検のフェーズ3無作為化試験の結果をLancet誌電子版に2010年8月24日号に報告した。

 特発性血小板減少性紫斑病患者に対する治療の目標は、有害事象を抑えつつ血小板数を安全域に維持して、出血を予防することにある。これまで用いられてきたステロイド、免疫グロブリン、脾臓摘出などの方法はあらゆる患者に有効というわけではなく、有害事象により適用が制限される場合もあった。

 著者らは、1日1回のエルトロンボパグと偽薬の有効性と安全性を比較する無作為化試験RAISEを23カ国の75施設で実施した。06年11月22日から07年7月31日までの間に、6カ月超の治療歴を有する成人の特発性血小板減少性紫斑病患者を登録。血小板数が3万/μL未満の197人(血小板数の中央値は1万6000/μL)を、無作為に、各国における標準治療+エルトロンボパグ50mg/日または標準治療+偽薬に割り付け、6カ月間投与した。135人(年齢の中央値は47.0歳)が介入群に、62人(52.5歳歳)が対照群に割り付けられた。

 血小板数は、最初の6週間は週1回、その後は少なくとも4週に1回測定し、その値を指標にエルトロンボパグと標準治療の用量を調節した。

 主要エンドポイントは治療に反応した(血小板数が5万~40万/μLになった)患者の割合に設定し、intention-to-treatで分析した。

 治療開始から1週間で、介入群の血小板数の中央値は3万6000/μLに上昇。15日めから6カ月後までの血小板数の中央値は5万3000~7万3500/μLだった。一方、偽薬群では1万7500~2万3000/μLにとどまった。

 6カ月の治療期間中に、少なくとも1回は治療に反応したと判定された患者は、介入群106人(79%)、対照群17人(28%)で、オッズ比は8.2(95%信頼区間3.59-18.73、P<0.0001)だった。

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