「英語が自分の母国語(ネイティブ・スピーカー)だったら論文を書くのは楽なんだろうなあ」。そう思ったことはありませんか?
私は英語で文章を書くのが苦手です。1通の英文メールに1時間かかることさえあります。まして英語で論文を書くとなると、論文特有の言い回し、話の進め方など、いろんな参考書を読むのですが、それでも分からないことだらけです。
でもここで考えてみました。英語が母国語であり、しかもハーバードの秀才、という人たちは、スラスラと学術論文を書けているのでしょうか?
実はそういうわけではありません。ハーバードにも論文執筆の講座があって、英語を母国語とする人たちも、上手に書くためのトレーニングをしているのです。アメリカの大学には大抵、Academic Writingという必修コースがあり、文献の読み方、引用の仕方、そして論文の書き方を徹底的に学びます。
日本では、人の真似をして上達することに寛大ですが、オリジナリティを重視するアメリカでは、他人の文章を継ぎはぎして作文をするといったような不正な引用や盗作に対し、厳しい姿勢で臨むことを叩き込まれます。私もこのようなトレーニングの大きな恩恵を受けました。
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著者プロフィール
吉田穂波(ハーバード公衆衛生大学院リサーチフェロー)●よしだ ほなみ氏。1998年三重大卒後、聖路加国際病院産婦人科レジデント。01年名古屋大学大学院。ドイツ、英国、日本での医療機関勤務などを経て、08年ハーバード公衆衛生大学院。10年より現職。
連載の紹介
吉田穂波の「子育てしながらハーバード留学!」
米国ハーバード公衆衛生大学院で疫学の研究に従事する吉田穂波氏が、日米を往き来しながらの研究生活、子育て、臨床現場への思いなどを、女性医師として、産婦人科医として、4人の子の母親として、肌で感じたままにつづります。
この連載のバックナンバー
2012/04/18
2012/04/02
2011/07/21
2011/05/02
2011/04/21