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心臓手術体験で変わった子に大感激

2010/11/08
津久井宏行

 夏休みの終わり、週刊少年マガジン「ゴッドハンド輝」(山本航暉先生)とのコラボレーションで、東京女子医科大学にて中高校生向けの医療現場体験セミナーを開催しました。その模様を同誌48号(2010年11月10日号)の巻頭で特集してもらったところ、兄弟2人で参加した子たちの親御さんがご覧になり、山本先生宛に以下のようなメールが届いたそうです。

 先日は週刊少年マガジンの夏休み企画のレポート記事に、Y(お兄さんの名前)が山本先生から修了証を頂き、百万ドルの笑顔をしている写真が出ていて、ビックリして目が飛び出しました~!右側にはH(弟さんの名前)も写っていたり、記事を読み、しみじみ…。YもHも本当に山本先生に憧れ、ゴッドハンド輝に憧れ、大好きなんだなあと思いました。その大好きな先生と同じ空間にいられた1日だもの…。親にさえ見せたことのないこんな笑顔をするんだなあと思いました。

 Yは、あれから、テニスだけでなく勉強も頑張るようになりました。そして、今までは「将来の夢は?」と聞かれても答えなかったのに、学校でも胸をはって『ゴッドハンド輝みたいな医者になる』と言ってるそうです。昨日の個人面談で先生から聞きました。Hも受験勉強真っ盛りですが、朴(栄光)さんとの出会いがすごい刺激になり、「いろんな勉強を頑張られた朴さんを尊敬する」と、今でも話します。

 Yは学校の友達や先生に朝から早速、『お前、マガジンに載ってるぞ!?』と驚かれ、「教頭先生が山本先生の大ファンで、休み時間は職員室に捕まって大変だった」(笑)と喜んでいました。青森の祖父母たちも秋田の祖父母たちも、「ゴッドハンド輝という漫画は素晴らしい漫画だから読みなさい!」とお客様に自慢していたそうで、笑ってしまいました。

 あの日からYは本当に変わりました。ものの考え方や夢をもつことの大切さを、人に言われてではなく、自分で感じて、憧れる。そして近づけるように頑張る力を、漫画って、こんなにもくれるんですね。そして、憧れの人に出会えると、人は変わるんだなあと思いました。私も行けば良かったなあ。陰からチラっとでも見たかったなあ。先生、これからも、たくさんの子供たちや大人に夢を与えてくれる素敵な漫画を描いてね。いつまでもずっと応援していきます。

著者プロフィール

津久井宏行(東京女子医大心臓血管外科准講師)●つくい ひろゆき氏。1995年新潟大卒。2003年渡米。06年ピッツバーグ大学メディカルセンターAdvanced Adult Cardiac Surgery Fellow。2009年より東京女子医大。

連載の紹介

津久井宏行の「アメリカ視点、日本マインド」
米国で6年間心臓外科医として働いた津久井氏。「米国の優れた点を取り入れ、日本の長所をもっと伸ばせば、日本の医療は絶対に良くなる」との信念の下、両国での臨床経験に基づいた現場発の医療改革案を発信します。

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