最近「お父さん、眠れていますか?」というようなポスターをよく見かけませんか?これは睡眠キャンペーンの一環として政府や自治体が展開しているものです。睡眠障害が続くとうつ病になる人が多いということから、睡眠にテーマを絞り、早期に体の不調に気が付くようにして専門医への相談を促す狙いがあるようです。
確かに、健保組合のレセプトを分析していると、就業しつつも抗うつ薬をもらっている人が増えてきていることに気付きます。そこで、寝不足の人(睡眠障害が疑われる人)は、寝不足ではない人と比べて医療機関にかかり始める割合が多いのかどうかを調べてみました。
まず、企業の健保組合の被保険者(社員)を、健康診断の標準問診項目である「睡眠で休養が十分とれている(「1:はい」「2:いいえ」)の回答内容で2群に分けました。その上で、各群の健診(問診)後の「うつ病」診療開始、及び診療開始後の抗うつ薬処方の関係を調べました(図1)。その際、うつ病はICD10の「F32:うつ病エピソード」とし、疑い病名も含めています。また、抗うつ薬は「気分安定薬(抗躁薬)」、「選択的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI)」、「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)」、「その他の抗うつ薬」を対象としました。
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著者プロフィール
木村真也(株式会社日本医療データセンター社長)●きむらしんや氏。1981年京都産業大学卒。大手外資系製薬会社マーケティング部長、CROバイスプレジデントなどを経て、2002年に日本医療データセンターを設立。
連載の紹介
レセプトを読み解く
日本医療データセンター(JMDC)では、複数の大手健康保険組合からのレセプトや健診データを基に、様々な分析を行ってます。1000万件を超える膨大なデータから、同社社長の木村氏が、医療の「今」を探ります。
この連載のバックナンバー
2012/06/11
2012/04/16
2012/02/16
2011/12/22
2011/10/21