厚生労働省は1月20日、薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会を開催し、抗リウマチ薬のメトトレキサート(MTX)について、第1選択薬としての使用を可能とし、かつ1週あたりの上限投与量を現行の8mgから16mgに引き上げる改訂を報告事項として了承した。2月半ばにも承認される見通し。MTXが抗リウマチ薬として国内で承認されたのは1999年だが、日本リウマチ学会は2002年から高用量の承認を求め続けてきた。長年にわたる懸案だった国際水準のMTX投与量が添付文書上でようやく実現する。
抗リウマチ薬として承認されたMTXでは、関節リウマチにおける効能・効果欄に、「過去の治療において、非ステロイド性抗炎症剤、および他の抗リウマチ剤により十分な効果の得られない場合に限る」とする制限があった。今回の改訂ではこの文言を削除する。これにより、関節リウマチの診断がつき次第、MTX投与が可能になる。
ただし、承認に当たっては、「本剤の高用量の投与により、重篤な骨髄抑制などの発現頻度が増加するおそれがあることから、適切かつ十分な調査をし、規制当局に報告すること」との条件がついた。具体的には、市販後調査を実施することになる。
今回の改訂について、安全性についてのエビデンス構築や厚労省への要望などに当たってきた日本リウマチ学会理事長の宮坂信之氏(東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科教授)に、承認の意義と承認までの経緯について聞いた。
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