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高生着率とインスリン離脱を目指す
新規プロトコルで膵島移植が4月に再開

 中断されていた心停止ドナーからの膵島移植が、今年4月から再開される。福島県立医大臓器再生外科教授で日本膵・膵島移植研究会会長の後藤満一氏によれば、高度医療(第3項先進医療)の枠組みの中で臨床研究として実施する。対象は、重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病患者とし、近く患者登録を開始する予定だという。

 日本における膵島移植は2004年に開始された。日本膵・膵島移植研究会が中心となり、主に心停止ドナーの膵臓から分離した膵島細胞を用いて行われていた。しかし、膵島分離用に用いていた酵素の製造過程にウシ脳抽出物が使用されていることが判明。BSE(ウシ海綿状脳症)感染の可能性が完全に否定できないことから、07年3月に中断されていた。

 しかし、このほど、哺乳動物由来成分を使用しないで製造したコラーゲン分解酵素が入手可能となったことから、膵島移植を再スタートする。また、再開に当たり、より高い治療効果が期待できる免疫抑制プロトコルを導入し、多施設共同の臨床研究として、膵島移植を行う計画だ。

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