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医師だからこそできる研究を!~Fellows' Retreatで得たもの~

2011/01/28

 その招待状がメールで届いたのは、昨年9月末のことでした。

Abe Fellows' Retreat Invitation
~安倍フェロー“Retreat”へのご招待~

The retreat is a required and critical component of the Abe Fellowship
Program. It provides fellows with a unique opportunity to discuss their
work, enables fellows to get to know each other in a relaxed
environment, and facilitates intellectual exchange among fellows and
Program Committee members. It also provides an opportunity for fellows
to seek and offer advice on problems they are facing in their research.

――このretreatは安倍フェローシップ・プログラムにとって必須、かつ重要な行事です。仕事について話し合い、リラックスしながらフェロー同士が知り合い、プログラム運営委員やフェロー同士の交流をうまく進めるためのまたとない機会です。また、研究で直面している問題に対し、アドバイスを与え合う機会にもなります――

 会場はフロリダのリッツ・カールトン。とてもリラックスできそうなゴージャスなホテルで、研究合宿にはもったいないようなところです。でもFellows’Retreatって何でしょう?招待状にはこんな説明がありました。

 ――フェローたちの経験を活用するために、さまざまな専門分野、理論、方法論、国籍のフェローによるグループを編成し、それぞれの研究について討議します。まずは1人のフェローが自分の研究について報告し、ほかのフェローたちがそれを批評します。その間、発表者は口を出してはいけません。翌日再び同じグループで、前日受けた批評をふまえて改善した研究計画を発表し、さらに討議します。――

 調べてみるとretreatとは、日常の仕事から遠ざかり、精神のリフレッシュを図る会合を指します。例えば、米国の大企業では、年に1回ほど、幹部が日常的な仕事を離れて保養地などに集合し、長期的な戦略を議論するそうですが、それもretreatと呼ぶそうです。

 先輩フェローの方々のコメントには、「諸分野にまたがる現在のフェローが研究成果・情報・意見の交換を行う場」「他領域の研究者との交流で視野を広げました」「2泊3日の研究合宿の”Fellows’ Retreat”は、もう盛り沢山の内容です。プログラムが計画的に組まれており、研究テーマのリサーチを行うためにミッチリ働かされた、という印象です」などとありました。

 「とっても面白そう!!」。どんな会合なのか想像もつきませんが、毎度のことながら、初めての経験にはワクワクして飛びついてしまう性格なのです。

温かなフロリダで家族と過ごそう!

著者プロフィール

吉田穂波(ハーバード公衆衛生大学院リサーチフェロー)●よしだ ほなみ氏。1998年三重大卒後、聖路加国際病院産婦人科レジデント。01年名古屋大学大学院。ドイツ、英国、日本での医療機関勤務などを経て、08年ハーバード公衆衛生大学院。10年より現職。

連載の紹介

吉田穂波の「子育てしながらハーバード留学!」
米国ハーバード公衆衛生大学院で疫学の研究に従事する吉田穂波氏が、日米を往き来しながらの研究生活、子育て、臨床現場への思いなどを、女性医師として、産婦人科医として、4人の子の母親として、肌で感じたままにつづります。

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