「外科に依頼したいけれど、内科でなんとかしないといけない」。日々、内視鏡をやっていると、そんな内視鏡的な処置では治療に難渋しそうな症例にぶつかります。すると、黙々と特訓を行い、不屈のチャンピオンに立ち向かっていくロッキーの姿と、そのバックに流れるテーマ音楽が自然と頭に浮かんできます。
ルーチンで行っているような手技ではそのようなことはありません。ここぞという大一番だからこそ、ということでしょう。
もちろん、その時々のヒット曲が頭に浮かぶこともありますが、『Gonna Fly Now』は別格。いつ聴いても新鮮ですし、思い出すだけで気分が高揚してきます。英国のロックバンド、Queenの『We are the Chanpion』などもいい曲だとは思うのですが、『Gonna Fly Now』にはかないません。映画の良さもありますから。
映画「ロッキー」が封切られたのは、浪人時代でした。現役で合格するつもりで、想定外の浪人生活を送っていた私は、主人公に自分を重ね合わせていたのかもしれません。
映画を観るのは好きでしたが、同じ映画を複数回観たのはごく限られたものだけ。ロッキーは3回観に行きました(笑)。カナダのトロントに留学していたときも、わざわざロケ地を見るため、米フィラデルフィアに行ったほどです。
シンプルなストーリーですが、僕にとって、ロッキーを超える映画はありません。多感な20代に観た映画だからこそなのかもしれませんね。