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「救急外来患者から特別料金を徴収」との回答は14%
医療の平等性や患者とのトラブルの可能性がネック

2011/02/09

 軽症救急患者の急増は、医療崩壊につながる大きな問題の一つとされている。昨年の中央社会保険医療協議会では、軽症の救急外来患者に対する特別料金徴収の是非が議論されたが、結論は持ち越された。医療の平等性の問題や患者とのトラブルの可能性もあり実施には難しさも伴うが、一部では、徴収に踏み切っている医療機関もある。実際、鳥取大付属病院は、2009年8月から夜間・休日に救命救急センターを受診する軽症患者(入院を必要としない患者)から特別料金を徴収しており、結果として軽症患者数が半減したと報道されている。

 では実際には、どのくらいの医療機関が救急患者に特別料金を請求しているのか。「徴収している」との回答は14.1%で、「徴収の方向で検討している」が13.5%。一方、59.5%が「徴収していない(今後も予定はない)」と回答した。これは、MedPeerが同社のサービスを利用する医師にインターネット上でアンケートを行った結果。

 徴収していない理由として目立ったのは、「民間病院が『自分のところだけ』というわけにはいかない」(30代、一般内科)、「公的病院なので徴収が困難」(40代、小児科)など、周囲の医療機関との兼ね合いや病院の性格を考えた上での判断。また、一部の患者だけから特別料金を徴収することの運用上の難しさを挙げる声もあった。徴収自体に反対というよりも、「徴収したいが、それ以上にトラブルは避けたい」というのが多くの考え方のようだ。

著者プロフィール

MedPeer(メドピア)●日経メディカル Onlineとメドピア(株)が共同運営する医師向けコミュニティーサイト。著名臨床研修指定病院との連携によるオンライン症例検討、薬剤に関する口コミ評価、各種のアンケートなどを実施。

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