医療崩壊が止まらず、再生に向けたグランドデザインが描けないのは、日本医療の実態が正しく国民に認識されていないため。そう考えて医師不足や低医療費などの問題について10年近く情報発信してきました。
しかし、問題の深層が明らかになっていないのは医療だけではありません。「デフレ」などの経済問題についても同様の構図があることを、ある1冊の本が教えてくれました。
その本とは、『デフレの正体―経済は「人口の波」で動く』(角川書店)です。著者の藻谷浩介氏は、日本政策投資銀行地域企画部地域振興グループ参事役で、2000年頃から地域振興の各分野で精力的に研究・著作・講演活動を行っている方です。
本書の前書きは、こんな一文で始まります。
「これは読んだ方がいい」と、誰にでも薦められる本は、そうそうはありません。ましてや自分が書いた本についてそのように話すのはいかにも気恥ずかしいものです。でも今回は心からお薦めします。これは「読んだ方がいい」本だと思います。極めて当たり前な、誰が読んでも客観的とわかるような事実を並べていますが、類書にない、オンリーワンの内容です。