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「必ずや復活、復興できると信じています」

2011/03/16

 東日本巨大地震で被災に遭われた方に、心からお見舞い申し上げます。

 被災地で救命救急に当たられている先生方、医療従事者の方、本当に大変でしょうが頑張ってください。私が住む九州からも、救急援助隊が編成され出発しました。九州からは遠く離れた東北ですが、こちらの住民も医療従事者もみんなこの悲劇に落ち込んでいます。何かできることはないのか、じれったい気持ちで報道を見ています。とにかく義援金や物資の調達など、でき得る限りのことをしようとたくさんの人や企業が動いています。

 日本は、このようなときこそ助け合い、どん底からはい上がれる国だと思っています。被災地をリポートするテレビの映像でも、今まで他人だった日本人同士が助け合っている姿が映し出され、日本は“美しい”国だという思いを新たにしました。

 私はケーブルテレビでCNNニュースを見ていますが、アメリカ人のキャスターが、被災地で人々が助け合う姿を「さすがは日本人である」と尊敬の気持ちを込めて伝えていました。中国でも、「いかなる時にも秩序ある民族」と報道されたようです。

 「同じ国に生まれた日本人同士なのだから、どうにかして助け合って、頑張って立ち直るんだ」。日本人の人間関係は、徐々に“希薄”になっている印象を受けていましたが、500年か1000年に1度といわれる未曾有の大惨事を受けて、本来日本人が持っていた互助や無私の精神がよみがえったようにも思えます。

 今、こちら九州では、講演会や会議などが始まるときは、今回の災害で亡くなられた方のことを思い、必ず東北、関東地方に向かって黙祷を奉げています。

 みんなで協力し合えば、必ずや復活、復興できると信じています。今しばらくは大変な時期が続くでしょうが、我々九州の人間も東北の方々の頑張りを心から応援するとともに、何かしらできることを考えて、ともにこの苦境を乗り越えていこうと思っています。

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著者プロフィール

東謙二(医療法人東陽会・東病院理事長)●あずま けんじ氏。1993年久留米大卒。94年熊本大学医学部第2外科。熊本地域医療センター外科などを経て、2000年東病院副院長。03年より現職。

連載の紹介

東謙二の「“虎”の病院経営日記」
急性期の大病院がひしめく熊本市で、63床の病院を経営する東謙二氏。熊本市の若手開業医たちのリーダー的存在でもある東氏が、病院経営や医師仲間たちとの交流などについて、ざっくばらんに語ります。
この連載が本になりました!
『“虎”の病院経営日記 コバンザメ医療経営のススメ』
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 本連載、「東謙二の“虎”の病院経営日記」が1冊の本になりました。約10年間の掲載からよりぬきの回を「病院経営」「連携・救急」「医療の話」「ひと・酒」の4テーマに分け収録。書き下ろし「中小病院が生き残るための15箇条」の章は、「敵対より連携」「コバンザメ医療経営のススメ」「中小病院の生きる道」「2代目は本当にだめか」「同族経営と事業承継」……など、民間医療機関の経営者には必読の内容となっています。
(東謙二著、日経メディカル開発、2700円+税)

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