東日本巨大地震では、製薬企業の工場も被災した。一部薬品では流通状況が改善した後も、市場在庫がなくなることが危惧(きぐ)されている(関連記事1、関連記事2)。
日経メディカル オンライン編集部が確認した、製薬企業の工場の現状は以下の通り(50音順)
アステラス製薬
・西根工場(岩手県八幡平市)
・高萩工場(茨城県高萩市)
西根工場は製剤、高萩工場は原薬を製造している。西根工場で作られているのは、ハルナール、ペルジピン、リピトールの3種類の薬剤。その他の工場でこれらの薬剤が作られているかどうかは開示していない。西根工場は、生産の早期再開に向けた取り組みを開始している。
エーザイ
・鹿島工場(茨城県神栖市)
今週は断水により、操業を停止している。鹿島工場は原薬の工場であるが、2カ月の在庫を持っているので、流通には問題ない。
塩野義製薬
・金ヶ崎工場(岩手県胆沢郡金ケ崎町)
一部の建物・設備に被害。抗菌薬の主力工場だが、卸への流通在庫は1~2カ月あるほか、関西の工場からの出荷で対応可能。
第一三共
・小名浜工場(福島県いわき市)
・平塚工場(神奈川県平塚市)
小名浜工場は原薬、平塚工場は製剤を製造。それぞれの工場で生産されている製品については開示していない。ただし、いずれの製品についても市場在庫は、現時点で2カ月以上ある。
田辺三菱製薬
・足利工場(栃木県足利市)
・鹿島工場(茨城県神栖市)
足利工場はウルソ、鹿島工場はラジカットを生産。これらの製品については、この2工場でのみ生産。通常在庫は確保されている。また、今回の震災による建物・設備への大きな損害はない。
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