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医療用酸素ガス枯渇への対応策
医療用酸素ガスを工業用酸素で代替可に
暫定仕様の表示や患者への説明などを条件

 大塚耕平厚生労働省副大臣は3月14日、記者会見を開き、医療用酸素ガスが枯渇する可能性のある被災地への対応として、緊急避難的に工業用酸素ボンベを医療用ガスボンベの代替として使用できる旨の通知を新たに発出したと発表した。宮城県からの要請を受けたもの。

 使用の条件は以下の6点。
1.酸素ガス専用の工業用ガスボンベ(黒色)を使用すること
2.暫定使用の酸素ガスボンベである旨を表示すること(『医療用酸素ガス[工業用ガスボンベの暫定使用]』などの表記)
3.酸素ガスの充填者は薬事法上の製造販売業者もしくは製造業者であること
4.製造販売業者は出荷の管理を行うこと
5.取り違いのリスクを踏まえ、酸素以外の気体の工業用ガスボンベを使用しないこと。また、上記の条件を満たしていることを確認の上、使用すること
6.患者への使用に際し、緊急避難的な状況における工業用ガスボンベの暫定使用であることを可能な限り説明すること

 工業用酸素ガスは、金属の溶接などに使用されており、厚労省によれば医療用酸素ガスよりも広範囲で入手可能であることが見込まれるという。

 さらに、12日の段階で医師の処方箋がなくても医療用医薬品の販売・授与が可能になっているが(関連記事)、新たに向精神薬および医療用麻薬についても可能になった。14日に出された事務連絡によると、患者による医師の受診が困難または処方箋の交付が困難な場合に、小売業者などが患者の症状などについて医師(主治医あるいはその他の医師も可)に連絡し、施用の指示が確認できたり、患者が薬袋を持参することなどによって処方の指示が確認できれば、向精神薬や医療用麻薬を施用のために交付できるとされた。

 また、14日の計画停電による医療機関への影響についても発表され、計画停電があったとされる茨城県・千葉県・山梨県・静岡県において人的被害やその他の障害は、20時45分の時点で報告されていないとした。また、人工呼吸器などを使用している難病患者についての被害も、19時30分時点では報告されていないとしている。

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