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地域ブロックごとに支援先の分担も決定
日医、東日本巨大地震の被災地に災害医療チーム派遣
(2011.3.16訂正)

 日本医師会は3月15日、東日本巨大地震の被災地である岩手、宮城、福島、茨城の4県に、災害医療チームを派遣することを発表した。

 今後1カ月間をメドに、地震の影響で医療機関が手薄になっている地域での診療支援や避難所にいる被災者の診療、被曝者に対する診療などに当たる。災害救助のために既に現地に入っているチームもあるが、今日から大規模な派遣を始め、常時100チームを派遣する考え。日医会長の原中勝征氏は、「被災者を支える医療に、日医として少しでも寄与したい」と話した。

被災地への医療チームの派遣を発表する日医会長の原中勝征氏。

 日医が公表したのは「日本医師会災害医療チームJMAT)」。医師1人、看護師2人、事務職員1人の4人で構成されるチームを、被災地域に派遣する。各チームの派遣期間は3日~1週間をメドとしており、複数のチームを順番に派遣することで切れ目のない医療支援を行うとしている。事務職員が運転手と診療内容の記録を行い、診療内容は次のチームへと引き継ぐ。

 日医常任理事の石井正三氏は、JMATが行うべき支援内容は「検死」「救助が必要な被災者のレスキュー」「避難所や救護所での診療」「日常診療の支援」の4つだと説明。「検死については、岩手、宮城から既にいくつも依頼が来ている」と話した。

 切れ目のない医療を行うため、日医は支援を担当する都道府県医師会のブロックの分担も決めた。岩手県を担当するのは、北海道ブロック、東北ブロック(秋田)、東京ブロック、関東甲信越ブロック、近畿ブロック(大阪、和歌山)。宮城県は東京ブロック、関東甲信越ブロック、近畿ブロック(兵庫、奈良)、中国四国ブロックが、福島県は東京ブロック、中部ブロック、近畿ブロック(京都、滋賀)が、茨城県は九州ブロックが担当する。

 また日医は、当面の経費の負担として、各都道府県医師会に100万円ずつ支給することを決めた。持参資器材や消耗品、支援者への手当などに充てる。

【訂正】
本文5行目「全体で100チーム」を「常時100チーム」に訂正いたしました。

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