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ボストンからのエール
細田満和子(ハーバード公衆衛生大学院リサーチ・フェロー)

2011/03/22

 まず、ご遺族と被災者の皆様方に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。地震、そして津波の恐ろしい映像を目にする度に心が痛み、息が苦しくなります。

 この東日本を襲った地震のニュースは、米国では3月11日(金)の早朝からすぐに大きく報道されました(時差が11時間あるので、最初の地震の時、米国東部は午前4時頃でした)。友人や知人からは、次々に日本の家族や友人を気遣うメールや電話が舞い込んできました。

 地震による破壊された建物や津波に襲われる町や村の映像も次々に入ってきて、その日、私は一日パソコンの画面の前にくぎ付けでした。米国でもテレビ、新聞、すべての報道が、日本を襲った悲劇を嘆き、米国は協力する用意があるといい、日本のために祈るという論調でした。オバマ大統領はすぐに、「米国は日本を手助けする用意がある。私とミシェルは日本の皆さんに深い哀悼の意を示します」という声明を発表。国連のハン事務局長も、「日本はこれまで最大の援助国だったので、今回は国連がそのお返しをする」と言いました。

 そんな中、ボストンにいる日本人たちは、被災地の人々のために、日本のために、何かできることはないかと、いろいろな活動を始めています。医療ボランティアのためにすぐに帰国した医師や看護師もいました。ハーバード関連病院で日本にどんな医療援助ができるか、CEOに働きかけているグループもあります。また、この地で何かできることはないかと、たくさんの幼稚園から大学院まで多くの学校では、募金活動が始まっています。チャリティー・コンサートやメモリアル・キルトづくりも計画されています。

 日本人以外のボストンに住む人たちも、日本を応援してくれています。多くの人が快く募金に協力してくれますし、あるタイ料理屋では、「2004年のスマトラ沖地震では、多くの日本人が助けてくれた。今度は私たちが日本を助ける番だ!」といって、レジに募金箱が置かれていました。

 被災地で、ご家族の安否も分からないまま、医療に当たっていらっしゃる医療者も多いと聞きます。まさにプロフェッショナルだと思い、尊敬します。一人でも多く方々が無事に救出され、回復されることを切に祈っております。遠く離れていてもどかしいところはありますが、日本を心から応援しています。

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