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Lancet誌から
インスリンデグルデックの血糖管理効果はグラルギンと同様
フェーズ2試験におけるメトホルミンとの併用での比較

 経口糖尿病治療薬では管理が不十分でインスリン使用歴のない2型糖尿病患者に対し、超長時間作用型インスリンのデグルデックとメトホルミンを投与した場合と、インスリングラルギンとメトホルミンを投与した場合を比較したフェーズ2試験の結果が報告された。1日1回または週3回のデグルデック皮下注と、1日1回のグラルギン皮下注は、有効性、安全性に差がないことが明らかになった。カナダToronto大学のBernard Zinman氏らがLancet誌2011年3月12日号に報告した。

 デグルデックは新たな基礎インスリン製剤で、皮下注射後にインスリンの六量体が可溶性の集合体を形成し、そこから単量体のインスリンが持続的に放出される設計になっている。これを用いれば、自己注射の頻度がこれまでより少なくなり、低血糖イベントのリスクも減少するとして期待されている。

 この16週間のオープンラベル無作為化並行群間試験は、カナダ、インド、南アフリカ、米国の28カ所の医療施設で、08年1月8日から8月20日まで実施された。2型糖尿病の診断から3カ月以上経過している18~75歳の患者で、HbA1c値が7.0~11.0%、BMIが23~42、インスリン投与歴はなく、安定用量の経口糖尿病治療薬1剤または2剤を2カ月以上使用していた人々を登録。糖代謝に影響を与える可能性がある薬剤(チアゾリジン系薬剤やDPP4阻害薬など)を過去3カ月間に使用していた患者は除外した。

 全員にメトホルミンのみを投与し、2週間かけて用量を2000mg/日または1500mg/日に調整した後、さらに1週間追跡して、この用量を安定使用できており空腹時血糖が7.5mmol/L以上の患者を選んで、無作為に以下の4通りのレジメンに割り付けた。

(1)デグルデック週3回(62人、開始用量は20U、1Uは9nmol、月・水・金曜日に使用)
(2)デグルデック1日1回(グループA:60人、開始用量は10U、1Uは6nmol/グループB:61人、開始用量は10U、1Uは9nmol)
(3)グラルギン1日1回(62人、開始用量は10U、1Uは6nmol)
すべての患者にメトホルミンを投与した。

 患者自身が朝食前に測定・記録した血糖値に基づいて、担当医が受診時または電話でインスリンの用量を調整した。目標域は、空腹時血糖4.0~6.0mmol/Lに設定。

 主要アウトカム評価指標は16週の治療後のHbA1c値とし、intention-to-treatで分析した。

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