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糖尿病治療薬、抗不整脈薬などの外観で常用薬を確認
被災地での診療向けにハイリスク薬の写真と識別コードを公開

 医薬品のデータベース開発などを手がけるシステムヨシイは、同社のウェブサイト(http://www.systemyoshii.co.jp/medinfo/index.html)で糖尿病治療薬や抗不整脈薬など慢性疾患の治療に使われる薬の写真の一覧と識別コードなどを公開した(写真)。

 3月11日に発生した東日本大震災により常用薬を紛失した被災者の薬の特定などに活用できる。医薬品卸大手のスズケンは、同ファイルを収めたディスク300枚を被災地の医師や薬剤師に配布している。

 システムヨシイが公開しているのは、糖尿病治療薬、抗不整脈薬、インスリン、抗血栓薬、抗凝固薬、抗精神病薬、抗てんかん薬など、厚生労働省が特に安全管理が必要な医薬品としている、いわゆるハイリスク薬の写真と識別コードだ。システムヨシイが湯山製作所、スズケン、南江堂などの協力を得て作成、公開した。被災者から薬効群を聞き取り、写真を見せながら、PTPシートの特徴などを頼りに薬の特定に役立てる。また、被災者が服用していた錠剤があれば、識別コードを基に薬を特定できる。

 東日本大震災では、津波によって常用薬をなくした慢性疾患患者が多くおり、そうした患者に対しては、問診を頼りに常用薬を特定・推測して処方している。しかし、「血糖値を下げる薬」「血液をさらさらにする薬」といった薬効の大まかな分類は覚えていても、薬の名前まで覚えていない患者も少なくないという。被災地の薬剤師から「写真と薬の名前の一覧のデータがほしい」という要望をスズケンが受け、システムヨシイに作成を依頼した。

 公開期間については「被災地の様子を見て決めるが、少なくとも3カ月は公開するつもり」(システムヨシイ)だという。

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