医師が行う業務の1つに診断書の作成があります。診断書発行業務は、ややもすれば「面倒くさい」と思われるかもしれませんが、医師の責務の1つです。学校や企業、保険会社、役所、裁判所など様々な場所に提出されることのある診断書は、身分証明書を除く様々な証明書の中で、最も身近な存在であるといってもよいでしょう。それだけ、診断書が求められる局面は多く、大きな効力を持つものなのです。
他方、患者が診断書を求める目的は様々で、必ずしも「診断した疾患」の名称の記載を求めているものとは限りません。むしろ、「○日間の休職を要する」「上記疾患は事故によって発生した」といった記載を求めていることも少なくありません。
作成を求める側の様々な思惑も絡み、「診断書」を巡ってトラブルが発生することは決して珍しくありません。今回は、そうしたトラブルが裁判に発展した事例を紹介します。
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連載の紹介
日常診療に生かす医療訴訟の教訓
患者とのトラブルで頭を悩ませないようにするためには、日々の診療で紛争予防を意識した対応をしておくことが欠かせません。本連載では、医療機関側の弁護活動を行う仁邦法律事務所(東京都港区、桑原博道所長)の弁護士が、実際の裁判例も参照しつつポイントを解説します。
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