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学会トピック◎米国心臓協会学術集会(AHA2020)
高用量EPA/DHA製剤で心血管リスク減少せず
1日4gのオメガ3脂肪酸を投与したSTRENGTH試験の結果

米国クリーブランドクリニックのA Michael Lincoff氏

 高用量(4g/日)のエイコサペンタエン酸(EPA)/ドコサヘキサエン酸(DHA)製剤による心血管イベントのリスク抑制作用を検証したSTRENGTH試験の詳細が、米国心臓協会学術集会(AHA2020、会期:11月13~17日、インターネット上で開催)で発表された。EPAなどオメガ3系多価不飽和脂肪酸(以下、オメガ3脂肪酸)を被験薬としてこれまでに行われた同様な臨床試験では、多くが心血管イベントの有意なリスク抑制効果を示していないが、2年前に発表されたREDUCE-IT試験では、1日4gの高純度EPA製剤(DHA非含有、商品名Vascepa、国内未発売)によって25%の有意なリスク減少を報告した(関連記事1同2)。STRENGTHはそのREDUCE-ITの追試という点からも注目されていたが、リスク減少は全く観察されず、オメガ3脂肪酸の有効性に関する議論は再び混迷することになった。なおtop-line resultについては、アストラゼネカ社が今年1月に公表している。

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